毎日新聞「今週の本棚」 2022.10.15
吉川祐介『限界ニュータウン』太郎次郎社エディタス 2017年、東京都江東区で隣家の生活音に囲まれる路地裏の古家に住んでいた現場労働の男性が、結婚を機に千葉県八街市内の分譲地に転居する。 人影もまばらな田舎町である。ここで ...
毎日新聞「今週の本棚」 2022.9.10
三浦展『住宅開発秘史』光文社新書 2021年2月、市井の郊外研究者である著者のもとに都市・建築に特化した古書店からカタログが届く。著者の目に止まったのが140枚ほどの「郊外住宅地の売り出しチラシ」。昭和30年代、神奈 ...
毎日新聞「今週の本棚」 2022.9.3
笹山敬輔『ドリフターズとその時代』文春新書 1985年9月の最終回まで16年間で計803回放映。視聴率は平均で27.3%、最高50.5%。美術費予算が1回800万という『全員集合』は地上波テレビの象徴だったにもかかわらず ...
毎日新聞「今週の本棚」 2022.7.16
フランシス・フクヤマ『「歴史の終わり」の後で』中央公論新社 エマニュエル・トッド『第三次世界大戦はもう始まっている』文春新書 安全保障は軍事力だけで構成されるわけではない。ウクライナとロシアをめぐり、政治経済体制はどう ...
毎日新聞「今週の本棚」 2022.5.28
中村琢巳『生き続ける民家 保存と再生の建築史』吉川弘文館 日本の住宅の寿命は約32年。世界に類を見ないほど短かく、イギリスでは約80年。アメリカにしても約67年で日本の倍近い。日本は震災国だとか欧米のように石造りじゃな ...
毎日新聞「今週の本棚」 2022.4.16
鈴木宣弘『協同組合と農業経済』東大出版会 変革が必要だとしても、それは政府に巣くう一部エコノミストが主張するタイプの「改革」ではないのではないか。そうした新自由主義路線こそが日本経済の足を引っ張っているのではないか――。 ...
毎日新聞「今週の本棚」 2022.3.5
J.ローゼンフェルド『給料はあなたの価値なのか―賃金と経済の神話を解く―』みすず書房 「神話」とは経済学界と世間で信じられている通説。給料は各人が組織に貢献した成果に相当する(人的資本論)、ないし仕事固有の重要性を反映す ...
毎日新聞「今週の本棚」 2021.10.9
L.ランダル・レイ『ミンスキーと<不安定性>の経済学』白水社 MMT(現代貨幣理論)は「財政は赤字が常態であり均衡を目標にする必要はない」と財政出動を唱え、財務省や日銀のリーダーたちが「高インフレになる」と批判を重ねた。 ...
毎日新聞「今週の本棚」 2021.12
① フランク・ナイト『不確実性・リスク・利潤』 ② 柴田徳太郎『J.R.コモンズの制度的経済学』日本経済評論社 ③ ゆうきまさみ『新九郎、奔る!』小学館...
毎日新聞「今週の本棚」 2021.11.27
鈴木亘『医療崩壊 真犯人は誰だ』講談社現代新書 そもそも日本の医療提供はどんな仕組みで行われ、諸外国と比べてどう違うのか。なぜコロナ治療に医療資源を回すと日本の医療体制は簡単に崩壊するとされてきたのか。 日本が体験した「 ...