共同通信2023.12.9
書評 ニコラス・ワプショット『サミュエルソンかフリードマンか』早川書房 「強烈な個性のスケッチ」 ともにユダヤ系、シカゴ大学で1932年に出会ったサミュエルソンとフリードマンは2009年と2006年にともに94歳で亡く ...
『ちくま』2025.1
書評 村上しほり『神戸』ちくま新書 「翻弄と復興の行政史」 「神戸」は語り辛い町だ。住民の誰もが自分にとっての神戸を語るが、共有される事実がないと感じることは少なくない。 いったん定着した先入観は変わらない。それにつ ...
毎日新聞「今週の本棚」 2025.5.3
渡辺利夫『大いなるナショナリスト 福澤諭吉』藤原書店 福澤諭吉は幕末を33年、維新後を33年間生き、「読書渡世の一小民」として健筆を振るった。幕末に欧米へ渡り、科学技術を学び社会制度を観察。塾頭であった蘭学塾を慶應義塾 ...
毎日新聞「今週の本棚」 2025.3.8
柏崎克彦『無我夢中 柔道に育てられて』ベースボール・マガジン社 国際武道大学名誉教授である著者は柔道競技における稀代の寝業師。1980年モスクワ五輪65キロ級日本代表だったが、政府がボイコットし派遣されなかった。 本書は ...
毎日新聞「今週の本棚」 2025.1.18
松隈洋『未完の建築 前川國男論・戦後編』みすず書房 前川國男(1905-1986)は「近代建築のひとつの頂点」(加藤周一)と評される京都会館(1960年竣工)や「音楽の殿堂」東京文化会館(1961)等、多数の作品を設計し ...
第78回毎日出版文化賞 2024.11.3
安田浩一『地震と虐殺』中央公論新社 自然現象は事実にもとづいて起きるが、社会現象は集団心理で生まれる。 今年は関東大震災百一周年。震災直後に各地で頻発した朝鮮人虐殺にまつわる事実を長年かけて掘り起こした人々のもとへ著 ...
毎日新聞「今週の本棚」 2024.12.21
① 脇田成『日本経済の故障箇所』日本経済評論社 ② 細田昌志『力道山未亡人』小学館 ③ 佐藤俊樹『社会学の新地平』岩波新書...
毎日新聞「今週の本棚」 2024.11.9
稲葉陽二『ソーシャル・キャピタル新論』東大出版会 語られるテーマが「表立って表現されることのない苦しみ」。 冒頭、具体例が列挙される。「なぜ賃金は目減りするのに経営者報酬だけ上がるのか」。「なぜ現場の営業部長が自腹で ...
毎日新聞「今週の本棚」 2024.9.21
脇田成『日本経済の故障箇所』日本経済評論社 今世紀に入ってからの日本経済は資本主義ではない。ここで言う「資本主義」とは、企業家が銀行から借り入れたり、株式を発行して他人資本を集め、不確実性である世界に挑む経済制度、という ...
毎日新聞「今週の本棚」 2024.7.27
細田昌志『力道山未亡人』小学館 敗戦により日本の人心が荒廃していた昭和20年代、折から始まったテレビ放送においてアメリカ人レスラーを空手チョップでなぎ倒し、爆発的な人気を博した。ところが1963年末、赤坂のクラブで腹をや ...