書評・共同通信配信『新潟日報』2018.6.17他

青木淳『フラジャイル・コンセプト』NTT出版。 銀座並木通り店をはじめとするルイ・ヴィトンのいくつかの店舗等、多くの著名作で知られる建築家による評論集。自然環境の想定外の激動に巻き込まれても生き延びうる、堅牢堅固を前提せ ...
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毎日新聞「今週の本棚」 2018.3.4

西部邁『保守の遺言』平凡社新書 「公式の遺書」という稀有な書である。 自裁の理由は前著『保守の真髄』(講談社現代新書)で明かされた。自分が「病院死」したときに迷惑をかけて構わないほどの契りを交わしたのは亡妻のみ。愛娘であ ...
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毎日新聞「今週の本棚」 2017.5.12

大井浩一『批評の熱度 体験的吉本隆明論』勁草書房。 お宅に頻繁にお邪魔した学芸記者が、人となりと絡め全業績を解題。 『共同幻想論』は「個人幻想」「共同幻想」に恋愛や家族をめぐる「対幻想」を対置したことで包括性を持ったとす ...
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毎日新聞「今週の本棚」 2017.7.23

桜井英治著『交換・権力・文化』みすず書房 我々は冠婚葬祭で祝儀や香典を受け渡しするが、カネの贈与は世界史的にも稀な現象だという。 そして贈与が経済の中心をなしたのが室町時代だった。 室町の贈与は極力「カネとの交換」に見え ...
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毎日新聞「今週の本棚」 2017.5.7

脱工業化都市研究会『トリノの奇跡』藤原書店 「トリノの奇跡」といえば聖骸布を思い浮かべそうだが、イタリアの廃れた企業城下町が自然や文化を軸に大胆にリノベーションして活気を取り戻したという話。論文集だが、心洗われるものがあ ...
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