毎日新聞「今週の本棚」 2020.5.23
ジャック・アタリ『食の歴史』ダイヤモンド社 音楽・医学から時間・愛・死・地政学・テクノロジー、そして海まで。数え切れないテーマと膨大としか言いようのない知識で人間社会の未来を占ってきた碩学が、「食」を軸に過去を振り返り ...
書評・共同通信配信『新潟日報』2018.6.17他
青木淳『フラジャイル・コンセプト』NTT出版。 銀座並木通り店をはじめとするルイ・ヴィトンのいくつかの店舗等、多くの著名作で知られる建築家による評論集。自然環境の想定外の激動に巻き込まれても生き延びうる、堅牢堅固を前提せ ...
毎日新聞「今週の本棚」 2018.3.4
西部邁『保守の遺言』平凡社新書 「公式の遺書」という稀有な書である。 自裁の理由は前著『保守の真髄』(講談社現代新書)で明かされた。自分が「病院死」したときに迷惑をかけて構わないほどの契りを交わしたのは亡妻のみ。愛娘であ ...
毎日新聞「今週の本棚」 2017.5.12
大井浩一『批評の熱度 体験的吉本隆明論』勁草書房。 お宅に頻繁にお邪魔した学芸記者が、人となりと絡め全業績を解題。 『共同幻想論』は「個人幻想」「共同幻想」に恋愛や家族をめぐる「対幻想」を対置したことで包括性を持ったとす ...
書評『正論』平成29年8月号
西部邁『ファシスタたらんとした者』中央公論新社 自伝と思想 恐るべき統合 A級戦犯弔い論には異議あり...
毎日新聞「今週の本棚」 2017.10.8MAGAZINE
週刊東洋経済9/30号。 「電力の大問題 送電線の謎」 日本では風力で9割の電力がまかなえるのだそうだ。 邪魔をしているのが送電線。 これはいよいよ電力自由化が必要なのかもしれない。...
毎日新聞「今週の本棚」 2017.11.5
ダニエル・コーエン『経済成長という呪い』東洋経済新報社 技術革新がデジタルで生じても、なぜ経済は成長しないのか。そのとき、何が生じるのか。 デンマークに期待をかける。...
毎日新聞「今週の本棚」 2017.9.3
村井明彦『グリーンスパンの隠し絵』上下、名古屋大学出版会 裁量的な金融政策を講じるFRB元議長が金融政策を不要にする金本位制の支持者であったと暴露。 L.ミーゼスの景気循環論に資本理論を付け加え「擬似金本位」を裁量で実現 ...
毎日新聞「今週の本棚」 2017.7.23
桜井英治著『交換・権力・文化』みすず書房 我々は冠婚葬祭で祝儀や香典を受け渡しするが、カネの贈与は世界史的にも稀な現象だという。 そして贈与が経済の中心をなしたのが室町時代だった。 室町の贈与は極力「カネとの交換」に見え ...
毎日新聞「今週の本棚」 2017.5.7
脱工業化都市研究会『トリノの奇跡』藤原書店 「トリノの奇跡」といえば聖骸布を思い浮かべそうだが、イタリアの廃れた企業城下町が自然や文化を軸に大胆にリノベーションして活気を取り戻したという話。論文集だが、心洗われるものがあ ...