戸山田和久『教養の書』筑摩書房

文科省主導による大学改革の混乱とビジネス界における「教養本ブーム」の後を受け、大学側から投げ返された教養への誘いの書(とはいえ文体は香具師(テキヤ)風)。
学術の新潮流を渉猟し、教養論をリニューアルする。
 
教養の目指すところは、科学の専門家が水俣病問題でチッソ側に有利な説を唱えて患者を苦しめたり、福島原発では津波は来ないとか全電源喪失は起きないとか、みずから疑いに目隠ししたような愚行の再発防止である。