一ノ瀬正樹・島薗進・児玉龍彦・中川恵一・伊東乾『低線量被曝のモラル』河出書房新社。

議論が暴く「生活」と「研究」の隔たり。

「科学」とは大量データで裏づけられた「確実な」一般命題を指すが、被曝の影響にかんしては年間100ミリシーベルト以下ではデータの大量収集が困難なこともあり、カンでしか言えない。そこで放射線学者は専門家として「安全」という実感を語ってきた。それを20ミリシーベルト近辺を市民はどう受け取るべきか。東大内の白熱の議論。