第2回 「民藝運動から『二一世紀民藝』へ」

昭和初頭の「欧米の模倣」は、柳宗悦(1889~1961)によっても問題視された。とりわけ「作家の個性表現」と「機械の過剰な使用」は、聴竹居と『日本の住宅』の完成と同年である昭和3年と翌年に出版された『工藝の道』および『民藝とは何か』(ともに現在は講談社学術文庫、後者は初版では『工藝美論』)で批判の焦点とされた。 

バブル崩壊後の1994年、普段使いの生活漆器「ぬりもの」を提唱してデビューしたのが輪島の「塗師」(漆職人)赤木明登である。

赤木の『二一世紀民藝』に見られる、民藝のいま。