毎日新聞「今週の本棚」 2023.8.5
金井雄一『中央銀行はお金を創造できるか』名古屋大学出版会 黒田日銀の「異次元の金融緩和」は、見事なまでの空砲、空論に終わった。主唱者たちは「家計が消費に企業が投資にお金を使わないのはデフレのせい」と強弁、消費と投資を回復 ...
毎日新聞「今週の本棚」 2023.6.24
鈴木聖子『掬われる声、語られる芸 小沢昭一と「ドキュメント 日本の放浪芸」』春秋社 『ドキュメント 日本の放浪芸-小沢昭一が訪ねた道の芸・街の芸』は1971年に日本ビクター株式会社(当時)から発売された7枚組のLPレコ ...
毎日新聞「今週の本棚」 2023.5.6
廣末登『テキヤの掟』角川新書 三社祭が、コロナ禍を経て従前通り開催されている。焼きそばやりんご飴を売り捌く三寸屋台も賑わうだろう。ところが売り子の「テキヤ」はいま危機に瀕しているという。「フーテンの寅さん」でお馴染みの ...
毎日新聞「今週の本棚」 2023.4.29
大熊ワタル編「我方他方 サックス吹き・篠田昌已読本」共和国、2022 幼少期から腎臓などの病に苦しみ、34歳で亡くなった「サックス吹き」篠田昌已。2022年は没後30年。2008年刊行のパンフレットの増補版が本書である。 ...
毎日新聞「今週の本棚」 2023.3.18
ナヒド・アスランベイグイ、ガイ・オークス著、安達貴教訳『ジョーン・ロビンソンとケインズ』慶應義塾大学出版会 本書は一介の教員夫人であったJ.ロビンソン(1903~1883)が国際的な 名声を得てJ.M.ケインズ(1883 ...
毎日新聞「今週の本棚」 2023.1.28
高木久史『戦国日本の生態系 庶民の生存戦略を復原する』講談社メチエ 「文献史学の方法論による構造的問題」が存在する。文字記録は客観性が高いが、現存する文字記録の範囲内で歴史を復元しようとすると、文字で記録された武将や寺社 ...
毎日新聞「今週の本棚」 2022.12.17
① 中村琢巳『生き続ける民家 保存と再生の建築史』吉川弘文館 ② ホルヘ・アルマザン+Studiolab『東京の創造的アーバニズム』学芸出版社 ③ 吉川祐介『限界ニュータウン』太郎次郎社エディタス 住宅や都市に住むことの ...
毎日新聞「今週の本棚」 2022.11.26
ホルヘ・アルマザン+Studiolab『東京の創造的アーバニズム』学芸出版社 東京は「なぜ」「どのように」東京になったのか。「東京学」は戦後幾度も語られてきたが、居住エリアの比較をマドリッドと東京で実証研究したこともある ...
毎日新聞「今週の本棚」 2022.10.15
吉川祐介『限界ニュータウン』太郎次郎社エディタス 2017年、東京都江東区で隣家の生活音に囲まれる路地裏の古家に住んでいた現場労働の男性が、結婚を機に千葉県八街市内の分譲地に転居する。 人影もまばらな田舎町である。ここで ...
毎日新聞「今週の本棚」 2022.9.10
三浦展『住宅開発秘史』光文社新書 2021年2月、市井の郊外研究者である著者のもとに都市・建築に特化した古書店からカタログが届く。著者の目に止まったのが140枚ほどの「郊外住宅地の売り出しチラシ」。昭和30年代、神奈 ...