書評 ニコラス・ワプショット『サミュエルソンかフリードマンか』早川書房

「強烈な個性のスケッチ」

 ともにユダヤ系、シカゴ大学で1932年に出会ったサミュエルソンとフリードマンは2009年と2006年にともに94歳で亡くなるまで半世紀近く論争し合った。

 なかでも1966年からの15年間、ふたりは雑誌『ニューズウィーク』で各週交互にコラムを担当、分かりやすい筆致で唱えたのが「新古典派総合」の財政政策と「マネタリズム」の金融政策だった。本書は両者の主張と対立を時局に沿って平易に描き出す。