西村秀一『新型コロナ「正しく怖れる」Ⅱ 問題の本質は何か』藤原書店

日本には感染症の専門家は少ないらしい。大正時代のスペイン風邪以来、活躍の舞台がなかったからだ。
著者はその数少ない専門家。世界最大の感染症対策センター(米CDC)での研究を経て2003年のSARS流行時には台湾へ派遣された。
新型の感染症は、防疫の確定的な情報がない中での対応となる。
NHKや感染症研究所、保健所が指示した接触感染との疑いを誰もが受け入れていた時期に、著者は口からの飛沫と浮遊する粒子による空気感染と確信、無駄な怯えをなくすよう説く。