一本目は新井満さん。「千の風になって」の話。これは2001年に、詠み人知らずの英語の歌詞を新井さんが訳詞・作曲したものだが、1995年に「1000の風」という写真詩集が出版されていて、その著者である「南風椎」さんから「パクリ」と「千の風」に所有権を設定したことをブログで糾弾されている、曰く付きの作品だ。

もっとも私は「パクリ」というのは、「うた」に所有権を当てはめるようになってから出てきた問題で、この件は当てはまらないと思う。沖縄の「19の春」には、田端義夫が録音したバージョンがあるが現地ではよく歌われているし、加計呂間島の「加義丸の唄」、与論島の「与論小唄」、沖縄本島にも別バージョンがある。唄は場所を変えると変形されるのが、もともとのあり方なのだ。

まあ、南風さんは80年代からの知り合いなのに、そのことに触れていないのは、知人としてカチンとくるのは分かるけど。

二本目は、高萩市の市長・草間吉夫さん。この方、日本で児童養護施設入所の最長記録の持ち主であるらしい。

私生児として生まれ、生後三日で入所。以来、高校までそこで集団生活、大学は東北福祉大、それから松下政経塾を経て市長になられたそうだ。苦労には、泣き虫の伊藤聡子さんがずっと目を潤ませていた。凄いです、この方の人生。