第一回 「保存か持続か」

加藤耕一は『時がつくる建築』(東京大学出版会、2017)において、西欧建築史で古代より、再利用と再開発、修復/保存の3つがそれぞれ歴史の局面で力を持ったとする。

「保存」は言うまでもなく人類の記憶のために重要な営みであるが、時がつくり今を生きる「持続」とは異なっている。そして保守主義とは、保存ではなく持続を目指すものである。